目の中には、房水(ぼうすい)といって、角膜や水晶体に栄養を与えたり、目の中のいらなくなった物質を運んだり、目の形を保つ働きをしている透明な液体が循環しています。
房水は毛様体というところで作られて、瞳孔を通り、角膜の端の内側にある隅角まで流れていきます。隅角には線維柱帯というスポンジのようなところがあり、ここで房水は吸収され、目の外に流れ出していきます。
房水が目の外にうまく排出されないと、行き場のなくなった房水が目の中に溜まりますので、眼圧が上がります。
房水がうまく排出されない原因には2種類のタイプがあります。一つは隅角が狭かったり、虹彩の根元で塞がれているタイプ(閉塞隅角)、もう一つは隅角は狭くないのに、線維柱帯が目詰まりして房水が流れにくくなっているタイプ(開放隅角)です。
緑内障の8割は開放隅角で、隅角の構造には目立った異常は見つけられません。線維柱帯が目詰まりする原因も完全には解明されていませんが、緑内障患者の摘出標本から、線維柱帯に細胞レベルの異常があると考えられています。