自分の意思とは関係なく、急にまぶたがピクピクと痙攣するため、驚いて眼科を受診されることがあります。
これは単なる疲れや寝不足が原因である場合と、病気の場合がありますが、症状の出方をみれば、慌てて眼科を受診する前に対策を考えることができます。
症状の出方で3通り
①片側のまぶただけがピクつく場合
②片側のまぶた以外に顔もピクつく場合
③両側のまぶたがピクつく場合
に分けて考えて見ましょう。
①片側のまぶただけがピクつく場合
眼瞼ミオキミアが考えられます。
いわゆる「心配いらないピクピク」であり、慌てて受診する必要はありません。
40歳以下の若い方で、片側のまぶただけがピクピクして、まぶたの開け閉めが問題なくできる場合は、大体これです。
疲れや睡眠不足が原因です。
人は通常、瞬きを1分間に15回から20回しています。
1日に16時間起きている場合は15000回から20000回の瞬きをしています。
起きている間は瞬きをすることで、まぶたの筋肉は常に動き続けていますが、睡眠中だけは瞬きをしていないので筋肉を休めることができます。
すなわち睡眠時間が短いとまぶたの筋肉の休息が足りなくなるため、まぶたがピクピク痙攣すると考えられます。
対策は睡眠を十分にとり、体のリズムを整えることが重要です。
多くは1〜数週間程度で症状が消失しますが、ピクつきが改善しない場合やピクつく範囲が拡がる場合は、以下の②や③の初期の可能性もありますので、眼科や脳外科を受診して下さい。
②片側のまぶた以外に顔もピクつく場合
片側顔面痙攣が考えられます。
脳から出ている顔面神経に、血管が接触して圧迫することが主な原因ですが、脳腫瘍や動脈瘤が原因のこともあります。
まずはMRIによる診断が必要ですので、脳外科を受診しましょう。
③両側のまぶたがピクつく場合
眼瞼けいれんが考えられます。
原因はまだはっきり分かっていませんが、両眼の周りの筋肉が勝手に痙攣することで、目が開きにくくなります。
50才以上の方で、両眼をしかめて眩しく感じ、目を閉じていた方が楽という方は、この病気の可能性があります。
治療は、ボツリヌス毒素をまぶたに注射すると効果があります。