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2019.11.04

より安全な白内障手術への取り組み

 

手術の結果については、以前は術者の経験と技術による要素が大きかったのですが、近年の白内障手術装置の進歩により、手術の安全性と手術時間の短縮には、最新の機器を使っているかという要素が大きいと感じます。

最新の手術装置を用いると、濁って固くなった水晶体を短時間かつ効率よく砕いて吸引できるため、目に優しい手術が行えるようになります。

また、手術中の眼内圧の変動を抑えることで、術中合併症の危険性も低減します。

これは近年の自動車の安全性能の進歩に似たところがあり、安全かつ短時間で目的を達成するには、最新の手術機器を使うことが最も重要です。

ただし、高度白内障などの難症例では、やはり術者の高い技術と経験も必要になります。

 

また、ほとんどの患者さんは手術室で緊張したり恐怖心がでることにより、手術中に目が動いたり血圧が上がったりして、手術が安全に行えない事もあります。

当院では不安を感じることなく手術を受けていただけるよう、最新の手術機器を使用することに加えて、手術前や手術中に丁寧な説明と細やかなケアをすることで、緊張をほぐし安全に手術を完了するように努めています。

 

一方、完璧な手術をしても、術後に感染性眼内炎を発症すれば、視力が大きく低下してしまいます。

無菌状態を目指して、手術前に消毒液で目を十分に消毒しても、手術中にまぶたから菌が出てくるため、無菌状態を維持することは不可能です。

当院では、消毒液で頻回に洗浄しながら手術を行うことで、手術中に目の内部に菌が入ることを防いでいます。

さらに、手術の直前・直後に抗菌薬を頻回点眼するなど最善をつくすことで、術後の感染性眼内炎は開院以来1例も発症していません。