マイボーム腺は、まぶたにある分泌腺で、睫毛の生え際から眼の表面にサラサラした脂を分泌することで、涙の表面を脂でコーティングして涙が蒸発することを抑えています。
マイボーム腺機能不全は、様々な原因によってマイボーム腺の機能が低下した状態であり、ドライアイの80%以上はマイボーム腺機能が低下していることが報告されています。
自覚症状は、眼不快感、異物感、乾燥感、圧迫感などであり、マイボーム腺機能不全のみに特徴的な症状はありません。
まぶたの縁が充血していたり、まぶたの縁の形が不整であったり、白い脂成分が溜まっている場合はマイボーム腺機能不全が疑われますが、異常所見が明らかでないこともあります。
治療法としては、
1. まぶたを温める
2. まぶたを清潔にする
3. 目薬する
という方法をセットで行います。
毎日根気よく続けることで効果が出てきます。
1. まぶたを温める
マイボーム腺機能不全の患者さんでは、まぶたの温度が低下しています。
マイボーム腺の内部の脂は、温度が低いと固形脂になってマイボーム腺を詰まらせてしまうので、まぶたを温めて脂をとかした後、軽くマッサージすることは分泌促進に有効です。
温める方法として、蒸しタオルのほか、市販の温熱アイマスク(あずきのチカラ、蒸気でホットアイマスクなど)が用いられます。
2. まぶたを清潔にする
目元が不衛生になると、マイボーム腺機能不全の原因になります。
市販のアイシャンプーなどの目元用クレンジング剤を使用して、髪の毛をシャンプーするように、睫毛周囲をシャンプーして洗いましょう。
やさしくマッサージするように洗うことで、マイボーム腺の脂を排出し、汚れなどの詰まりを除去する効果があります。
3. 点眼する
ドライアイ用の目薬を点眼して、眼の表面を保湿することが、自覚症状の改善に有効です。