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2017.07.01

前視野緑内障の治療について

 

前視野緑内障とは、視野が正常なので緑内障とは診断されませんが、加齢と共に視野欠損が出現して将来的に緑内障になってしまう可能性がある、緑内障の予備群です。

いわば、正常と異常の境界(グレーゾーン)にある状態で、ずっと境界に乗ったのまま一生を終える可能性もありますし、加齢と共に進行して緑内障になってしまう可能性もあります。

 

前視野緑内障に対して治療をするかについて、専門医の間でも議論されています。

明らかな緑内障になってから治療を開始する眼科医もいれば、将来的に緑内障になる可能性が高い症例に対しては早めに治療を開始する眼科医もいて、明確な基準がありません。

 

緑内障は「進行性で良くなることはない病気」ですので、早めに進行にブレーキをかけるに越したことはありません。

しかし、極早期に治療を開始するということは、それだけ点眼薬による副作用や経済的な負担がかかります。

 

当院では、将来的に緑内障になる可能性が高い方には、積極的に早期治療を行っています。

緑内障になってしまうリスクが高い状態とは以下の通りです。

 

  • 年齢が60才以下

若いと余命が長いので、進行することが多いからです。

 

  • 無治療下の眼圧が20mmHg以上

眼圧が高い方は、視神経に負荷がかかって進行しやすいからです。

 

  • 視神経乳頭部に出血がある

視神経乳頭部に出血があると、急速に進行することがあるからです。