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2017.03.01

子どもの近視進行の特徴について

バージョン 2

↑かわぞえうどうさんの作品です。

 

「遠視」とは、「眼底よりも後ろにピント」が合うために、はっきり見えない状態を言います。
「正視」とは、近視も遠視もなく、「眼底にピント」が合っている状態をいいます。
「近視」とは、「眼底よりも前にピント」が合うために、はっきり見えない状態を言います。

 

プレゼンテーション2
人間の眼は、生まれてすぐは軽度の遠視です。
その後, 成長に伴って遠視の程度が小さくなり、学童期に入るとほぼ正視になります。
これを正視化現象と言います。

正視化現象には、「眼軸長」と「角膜と水晶体の屈折力」の変化が関与します。

 

「眼軸長」は生後2歳頃まで急速に伸び(ピントが合う位置が前方に移動するので近視化します)、その後そのスピードは徐々に緩やかになり、10 歳を超えるとほぼ一定になります。
「角膜と水晶体の屈折力」は成長に伴い徐々に減少します(ピントが合う位置が後方に移動するので遠視化します)。
角膜の屈折力は3歳頃まで減少し、水晶体の屈折力は 8 歳頃まで減少します。
つまり、成長に伴って眼軸長が長くなり近視化していくのを、角膜や水晶体の屈折力が減少することで、近視傾向を打ち消しているのです。

 

もし、正視になった後も眼軸長が伸び続けると、近視が進行していきます。
すなわち、学童期の近視進行は、行き過ぎた眼軸長の伸長が原因であると考えられます。

 

プレゼンテーション1

 

近視が進行して眼軸長が伸びると、現在の医療技術では元に戻すことができません。
そのため近視が進みやすい学童期の早い時期に、その進行をいかに抑制するかが重要となります。