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2018.08.09

弱視の治療法

 

眼鏡装用と、片眼遮閉(視力が良い方の目を遮閉する)を基本として、症例によっては原因疾患に対する手術を追加することがあります。

 

手術は、視線がずれて片目で見ている場合は、斜視手術による目の位置の矯正を行うことがあります。

黒目やその奥に濁りがあり邪魔になる場合には、その原因への手術を行います。

 

眼鏡装用と片眼遮閉について詳しく説明します。

 

 

眼鏡装用

 

強い遠視や乱視などによってピントが合わない場合は、眼鏡でピントを合わせると、視力の発達を促すことができます。

 

治療目的でかける眼鏡ですので、乳幼児期から眼鏡をかけることになります。

また、就寝時や入浴時などを除いた終日、ずっと眼鏡をかける必要があります。

眼鏡を嫌がるお子さんには、最初は無理強いはせず、様子を見ながら毎日少しずつ装用時間を長くして、終日装用を目指すようにしましょう。

 

眼鏡を強制するのではなく、なぜメガネをかける必要があるのか、分かりやすく説明をして納得してもらいましょう。

良く見えると理解した子どもは、自分から進んで眼鏡を使用するようになります。

眼鏡をかけながら子供の好きなテレビなどを見せて、眼鏡をかけるとより良く見えることを実感させましょう。

 

保護者の方が眼鏡に対して悪い印象を持っていると、子供も眼鏡を嫌がります。

初めて眼鏡をかけた子供にがっかりした表情を見せるのは絶対に避け、満面の笑顔で迎えてあげましょう。

 

 

片眼遮閉

 

片眼だけの弱視の場合に、視力の良い方の目を隠して、視力の悪い方の目を積極的に使わせることで、その発達を促す治療法です。

 

良い方の目を遮閉するための遮閉具には、絆創膏のようなシールで目を覆うもの(アイパッチ)を使うのが一般的です。

アイパッチをすると皮膚がかぶれたりする場合は、眼鏡の片方に布製の遮閉具を装着する方法もあります。

アイパッチを自分で外してしまう場合は、アトロピン(ピント調節を麻痺させる目薬)を視力の良い方の目に点眼して、悪い方の目の発達を促す方法もあります。

 

眼鏡装用と片眼遮閉を組み合わせて、ご家庭で継続して行っていただくことが、弱視治療には最も大切です。