眼圧が正常範囲内(20mmHg以下)なのに、もともと視神経が弱いために緑内障になる場合を「正常眼圧緑内障」と呼び、日本人の緑内障の約70%を占めています。
視神経の強さには個人差があります。
つまり、同じ眼圧の数値であっても、視神経が障害される人と障害されない人があります。
すなわち、眼圧が正常範囲内であれば安心というわけではありません。
正常眼圧緑内障であっても、眼圧の高い緑内障と同じく、視神経が徐々に弱っていき、視野が狭くなってきます。
症状は非常にゆっくりと進行するため、自覚症状がほとんどありません。
正常眼圧緑内障の原因は、まだよくわかっていませんが、視神経の血流障害や変形など多くの原因が考えられています。
患者さんごとに視神経障害の原因はさまざまです。
治療法は、現在のところ視神経を強くする薬はありませんので、眼圧を下げるしかありません。
もともと正常範囲内である眼圧をさらに下げるのは難しいですが、眼圧を20〜30%下げると、約80%の人は進行を遅らせることができます。
眼圧を下げるには、まず点眼治療からはじめ、効果が不十分な場合には、手術治療が行なわれます。