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2018.05.20

目を閉じていた方が楽

 

「目を閉じていた方が楽」「光がまぶしい」「目が勝手に閉じてしまう」「まばたきが多くなった」という症状は、ドライアイの他に眼瞼けいれんという病気の可能性があります。

「けいれん」と言っても決してまぶたがピクピク動くわけではなく、眼瞼けいれんは眼の周りの筋肉が過剰に収縮して目が開きにくくなる病気です。

 

自分の意志とは関係なく目が閉じてしまうため、まばたきが上手くできなくなります。

重症例では、目を開けることも難しくなりますので、歩行中に何かにぶつかったり、車の運転も困難になります。

 

眼瞼けいれんは眼瞼下垂との鑑別診断が重要です。

加齢によって目が開きにくくなる眼瞼下垂では、眉毛の位置が上がって目と眉毛の間隔が拡がりますが、眼瞼けいれんでは、眉毛の位置が下がって目と眉毛の間隔が狭くなり、眉間にシワを寄せて見るようになります。

 

眼瞼けいれんは50才以上の女性に多く、原因は脳の機能異常が疑われています。

診断は、できるだけ速い瞬きを10秒間してもらったり(速瞬テスト)、目を強くつむった後にパッと開いてもらったり(強瞬テスト)して、上手にできるかどうかをみます。

 

治療は、ボツリヌス毒素の注射を行います。

注射の効果は3日くらいで現れ、約2週間で最大となり、徐々に効果は薄れます。3~4ヶ月でほぼ元の状態に戻ってしまうので、3〜6ヶ月ごとに注射を繰り返します。