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2016.10.09

眼圧の変動について

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眼圧は常に変動しており、日内変動、日々変動、季節変動、体位変動があります。

 

正常の方でも眼圧は測定する時間によって3~6mmHg変動します(日内変動)。

また、1~2mmHg程度は測定誤差もありますから、眼科外来での眼圧測定値は毎回多少違うのが普通です。

眼圧変動のパターンは個人差が大きく、どの時間帯に最も高くなるかは人それぞれです。

房水産生は昼に多く、夜に少なくなるため、眼圧は基本的には昼に高く、夜に低くなる傾向があります。

しかし実際は、どの時間帯に眼圧が高くなるかは個人差が大きく、朝に高く、日中は正常の方や、夜中だけ高い方など様々です。

 

また、同じ時間であっても日によって変動があり(日々変動)、夏は低く冬に高いこと(季節変動)も知られています。

 

眼圧は体位によっても変動します(体位変動)。

同じ時間であっても、座っている姿勢より横になっている姿勢の方が眼圧は2~6mmHgほど高くなります。

通常、我々は1日の1/4から1/3の時間は就寝のため横たわっています。

横たわると、目と心臓の高低差がなくなりますので、目の静脈圧が上昇し、房水が静脈に流出しにくくなるため、眼圧が上がります。

横になると1分後には眼圧が上昇し、起き上がると1分後には眼圧が下降するといわれていますので、就寝中の眼圧はその時に測定しないとわかりません。

つまり、昼間に外来で測定した眼圧が正常であっても、夜間の就寝中に気づかないうちに眼圧が上昇しているケースがあります。

また、眼圧変動幅が大きい緑内障患者ほど視野障害が悪化しやすいため、昼間に外来で測定した眼圧が落ち着いていても、定期的に視野検査をして、視野障害が進行していないかチェックする必要があります。

 

眼圧は毎日変わりますし1日の中でもかなり変動しますので、何度も測定してひとりひとりの眼圧変動の特徴を把握しておくことが重要です。