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2017.03.20

近視の遺伝について

バージョン 2

↑かわぞえうどうさんの作品です。

 

近視になるかどうかは、遺伝による影響を受けていると考えられています。

子供が近視になる確率は、「両親ともに近視」である場合が最も高く、「片親が近視」、「両親ともに近視ではない」の順に確率が低くなります。

近見作業(読書、ゲームなど)は、近視の原因になることが知られていますが、「近見作業をすること」よりも、「両親が近視であること」の方が、子供が近視になる確率が高くなります。

 

双子の近視の有無や程度を比べると、二卵性よりも一卵性(遺伝子が同じ)の方が似る傾向があります。
以上が、近視は遺伝することを示す疫学調査の結果です。

 
近視になりやすさと進行しやすさには、遺伝因子以外に、環境因子も関与していると考えられています。
近視の原因となる環境因子には、個人の生活習慣(近見作業、屋外活動時間など)や社会環境(都市部、人口密度、教育期間など)が重要視されています。

 

親子や兄弟の近視が似ている傾向がありますが、そもそも家族内では生活環境が共通しています。
そのため、家族で近視が似ていたとしても、それが遺伝因子によるものか、環境因子によるものかの判断が難しい場合が多いです。

 

近年、近視人口は世界的に急激な増加傾向にありますので、「近視は遺伝」では説明がつかず、遺伝因子は以前ほど重要視されていません。
この数十年での近視人口急増の原因は、遺伝因子の変化というよりも、環境因子の変化による影響と考えられています。