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2019.05.08

間欠性外斜視の治療について

 

間欠性外斜視は、外斜視になる頻度や視線のずれが大きく、「見た目」や「眼の疲れ」が気になる時に手術を行います。

 

手術は、眼球を動かす筋肉の付着部を移動させて、視線を矯正します。
外斜視は、眼球の外側にある筋肉(外直筋)の働きが強すぎる、あるいは眼の内側にある筋肉(内直筋)の働きが弱すぎるため、視線が外側にずれています。

そのため、外直筋を一度切り離し眼球の後ろにずらして縫い付け直すか、内直筋を切除して短くし、元の付着部に縫い付け直す手術をします。

そうすることで、目を内側に寄せて視線を矯正できるようになります。

手術後、白目は充血しますが、術後1カ月もすればほとんど分からなくなります。

 

手術の目的は2つあり、1つは容姿を整える「整容」であり、もう1つは眼精疲労や複視などを改善させる「視機能改善」です。

視機能に問題がなくても、外見が精神的なストレスとなっている場合は手術適応です。 

特にお子さんの場合、友達に指摘されて傷ついたり、人と目を合わせて話をするのが苦手になったりと、斜視は明確に対人関係に影響します。

 

手術後の問題点として、術直後はまっすぐ向いていても、次第に外斜視が再発することがあります。

もともと両眼視機能(立体感や距離を感じる能力)が弱い場合や、弱視がある場合は再発の可能性が高くなります。

年少者の手術ほど再発しやすく、10歳過ぎの手術では再発が少ない傾向があります

たとえ術後に再発したとしても、ずれが目立たなくなる事が多く、手術を受けてよかったと言われます。

 

手術時期は、小学校入学前の5~6才位が多いです。

斜視の重症度が高い場合は、3~4才であっても手術をすすめます。

軽症であれば、局所麻酔で手術可能な年齢(中学生くらい)まで経過観察することもあります。

 

手術によって斜視は改善しますが、少し斜視が残る可能性があります。

少しの斜視であれば、無意識に斜視を微調整することができますので、外見や視機能に支障が出ることはほとんどありません。

完全な治療結果を求めすぎると精神面の負担にもつながりますので、完璧ではなく改善をを目指しましょう。