目の中には房水が循環しています。房水は茶目(虹彩)の裏側の毛様体で作られ、瞳孔を通り、隅角(虹彩と角膜の隙間)から目の外へ流れ出していきます。
隅角はいわば房水の排出口です。
隅角は、黒目の端っこの部分の内部に、黒目全周にわたってあります。
隅角の広さには個人差があり、特に遠視の女性では非常に狭いことがあります。
この隅角は加齢とともにさらに狭くなり、ついには隅角が詰まって房水が流れなくなります。房水の排出がうまくいかなくなると、目の中に房水が溜まり、眼圧が上昇します。
通常の眼科検査である細隙灯顕微鏡検査で、隅角が狭いかどうかがある程度分かります。
細隙灯顕微鏡を用いて、角膜(黒目)と虹彩(茶目)の間のスペース(前房)が狭い場合は、隅角が狭いことが疑われますので、さらに隅角鏡を用いて、隅角を詳しく調べます。
角膜の端にスリット光を当てて、(前房の深さ)÷(角膜の厚み)が1/4以下であると要注意です。
検査は、隅角鏡といって、鏡のついた特殊なコンタクトレンズを目に乗せて、隅角の状態を細隙灯顕微鏡によって観察します。
事前に点眼麻酔を行いますので、軽い圧迫感がありますが痛みはありません。
隅角検査は、急性緑内障発作を起こしやすいタイプかどうかがわかります。
隅角がかなり狭くて、急性緑内障発作になる危険性が高い方には、白内障手術やレーザー虹彩切開術などの予防的手術をお勧めします。