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2020.09.13

黄斑ジストロフィとは

 

黄斑ジストロフィは、遺伝的な原因によって両目の眼底の中心部である黄斑部が徐々に萎縮していく病気です。

これは、一つの病気の名前ではなく、スターガルト病や卵黄様黄斑ジストロフィ、錐体ジストロフィなどの黄斑が萎縮する別々の病気を総称したものです。

黄斑ジストロフィの発症には何らかの遺伝子が関与していますが、遺伝子の種類によってその性質は大きく異なり、必ずしも子供に遺伝するとは限りません。

 

症状は、ゆっくりと進行する視力低下、眼鏡をかけても中心が見えにくい、通常よりもまぶしい、色覚の異常などです。

周辺の視野が保たれることが多いため、完全に失明することはありません。

発症時期が若いほど、より進行しやすい傾向がありますが、個人差や病気のタイプによって、経過や予後は様々です。

 

眼底検査で両眼の黄斑部が萎縮していることでほぼ診断できますが、光干渉断層計、眼底自発蛍光、網膜電位図、視野検査などで詳細に進行度を調べます。

 

眼底写真:両眼の黄斑部が、同様に萎縮しています。

 

光干渉断層計:黄斑部の網膜が薄くなっています。

 

現在は有効な治療法がありません。そのため、病気を正しく受け止め、定期的な経過観察をしていく必要があります。

眩しい場合は遮光眼鏡、残った視機能を最大限活用するためにルーペや拡大読書器、タブレット型PCなどの補助具を使用します。

黄斑ジストロフィは指定難病の一つであり、症状が悪化すれば、障害者手帳制度の認定が受けられます。

 

身体障害者手帳は、1級から6級の等級が定められています。

身体障害者手帳を取得すると、等級に応じて以下のような支援を受けることができます。 

 

  • 医療費や補装具の費用の助成
  • 所得税・住民税・自動車税の減免や控除
  • 公共交通機関運賃やNHK受信料・携帯電話利用料金、美術館や動物園などの公共施設の入場料、上下水道料金の割引
  • 公営住宅への優先入居
  • 企業の障害者雇用義務の対象としての採用
  • 障害年金の受給