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2016.04.19

網膜症の自覚症状は?

かなり悪くなるまで自覚症状はほとんどありません。

 

初期は、血管がもろくなって多数の出血が起こりますが、網膜中心部が侵されない限り視力は低下しないのでなかなか気づきません。瞳を大きく広げる目薬をさし、眼底を詳しく調べる「精密眼底検査」をすれば、ごく初期の異常でもわかります。この段階なら、血糖をきちんとコントロールすれば改善も期待できます。糖尿病と診断されれば、内科医の指示に従い、眼科医にもすぐにかかって定期検査を習慣づけてください。

 

中期は、血流が途絶える血管閉塞などの障害が起きます。自覚症状はほとんどありませんが、ここまでくると元の健康な網膜には戻りません。レーザーによる網膜光凝固という治療をします。これは網膜症の悪化を防ぐためで、元通りに戻して完治させる治療ではありません。

 

末期は、視力低下や視界に黒い糸くずのようなものが見える飛蚊症が起こり、失明することもあります。新生血管が破れて硝子体出血を起こし、突然見えなくなったり、網膜剥離を起こしたりします。こうなると手術です。眼球に三つの穴を開け、細い器具を挿入し、目の中の出血を吸引して取り除いたり、網膜剥離を元に戻したりします。顕微鏡下で細かい操作を要する高いレベルの手術で、1~2週間程度の入院を要します。