当院では、確かな技術と最新の機器を用いて短時間で手術を終えることにより、痛みが限りなく少なく目にやさしい手術を提供しています。また、可能な限りリラックスできる空間をつくることに、細部にわたりこだわっています。
正常な水晶体は透明でレンズの役割をしていますが、水晶体がにごると光が十分に通らなくなります。これが白内障で、主な原因は加齢です。白内障になると、モヤがかかって見える、ものがかすんで見える、眩しくて見えづらいなどの症状が現れます。
日常生活に不便を感じるようになった時、初めて手術を検討します。
下記のような症状はありませんか?
視力が低下して、生活したり仕事をするのに不便を感じる
外に出るとまぶしくて、周囲が見づらい
視力が0.7以下になって運転免許の更新ができない
まず、約2mmの小さな切開をし、にごった水晶体を細かく砕いて吸い出します。その後、人工水晶体である眼内レンズを挿入します。
眼内レンズは、白内障手術にかかわる様々な物品や機器の中でも最も術後の視機能(見え方の質、生活の質)に影響するものです。当院では、色の見え方が自然で、非球面設計により、夜間でも良く見える1ピースアクリルレンズを使用しています。通常の眼内レンズの中では最も高価な眼内レンズですが、患者さまの満足を第一に考え、少しでも性能の高いレンズを用いるようにしています。
手術前
手術を申し込まれた方は、手術に必要な検査を受けていただきます。
お申込み後1ヶ月以内にできるように手術日を増やしたりして対応しています。眼鏡とお薬手帳をお持ちの方はご持参ください。
手術についての説明をしたり、手術前の点眼薬を処方します。
可能な限り、ご家族とご一緒にいらしてください。
※ 30分くらいかかります。
手術3日前から手術当日までの間、抗菌剤の点眼をしていただきます。1回につき1~2滴を1日4回点眼してください。
手術当日も点眼を持参してください。
手術当日
受付時に手術承諾書の提出をお願いします。
手術室に入る前に、散瞳剤などの点眼、血圧測定、診察を行います。手術前にトイレを済ませてください。
手術室に入ると血圧計をつけ、目とその周囲を洗浄し、仰向けに寝た状態で顔の上にカバーをかけて手術を行います。
目だけの麻酔(局所麻酔)で行いますので、手術中も周囲の声は聞こえますし、話をすることもできます。手術中に痛みはありませんが、顕微鏡の光のまぶしさや器具の触る感じは少しわかるかもしれません。
手術中は全身の力を抜き、両方の目を楽に開けるようなつもりで、正面の光をぼんやりと見ていただきます。急に顔や体を動かすことは危険ですので、もし何か異常を感じるようなことがあれば、言葉でお知らせください。
手術時間は10~15分程度ですが、執刀医の判断で手術に必要なことをするために時間がかかることもあります。
付き添いの方は、別室から手術の様子をご覧になることができます。
手術終了後、10分程度は、椅子に座って安静にしてください。スタッフから手術後の注意事項などの説明を受け、帰宅できます。来院から帰宅まで、1時間半から2時間くらいかかります。
手術後は、普段通りに飲食を行って大丈夫です。ただし飲酒は軽めにしてください。翌日来院されるまで、眼帯をはずしたり手術した目に目薬をさしたりしないでください。帰宅後も転倒やふらつきに注意して、できるだけ安静にしてください。
術後検診
手術翌朝は8:30から9:00の間に眼帯をしたままご来院ください。手術翌日から眼帯装用も不要になります。
手術翌日から目薬を処方しますので、正しくさしてください。術後の目薬は少しずつ減らしていきますが3ヶ月は必要ですので、指示通り点眼してください。
視力検査と散瞳眼底検査を行います。
※ お車を運転してのご来院はお控えください。
通常、手術をした翌日、2日目、4日目、1週間目、2週間目、3週間目、1ヶ月目~2ヶ月目(月に2回)、2ヶ月目~6ヶ月目(月に1回)の通院が必要です。手術後の合併症がないかどうか、きちんと見えるようになっているかどうかを確認していきます。
定期的な検査を行うことで、何か問題があったとしても早い段階で適切な処置が可能となります。
決して自己判断はせず、指示に従って検査・通院をしましょう。
翌日~ | 3日後~ | 1週間後~ | |
洗顔 | ![]() |
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術後2日間は洗顔できません。顔はしぼったタオルで拭き、 目のまわりは清浄綿でお拭きください。 |
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洗髪 | ![]() |
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手術翌日より美容院での仰向けの洗髪は可能です。 | |||
入浴 | ![]() |
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![]() 温泉・サウナ |
目の中に水が入らないように注意してください。 | |||
お化粧 | ![]() |
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目の周りは1週間控えてください。 | |||
髪染め・パーマ | ![]() |
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飲酒・喫煙 | ![]() |
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運動 | ![]() 散歩程度 |
![]() ゴルフ |
![]() 激しい運動 |
水泳・潜水は1か月禁止です。 | |||
仕事 | ![]() 家事・事務 |
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![]() 肉体労働 |
工場や畑仕事など、挨っぽい場所は1週間お控えください。 |
眼内レンズはピントを調節する力がありません。
手術後、眼鏡無しで不自由ないと言われる方もたくさんいらっしゃいますが、細かい字を見たり、車を運転する時などは眼鏡が必要になる場合が多いと考えてください。手術後1~2ヵ月頃の視力が安定してきた時期に眼鏡をつくります。
白内障手術は最近では安全に行われるようになりましたが、まれに手術前に予測できない事態になることがあります。このような場合できる限りの対処をしますが、視力障害を起こすこともあり得ます。その可能性があることはご了承ください。
手術の安全性は、医師の高い医療技術と最新の手術設備によって保たれます。手術方法は合併症が発生する頻度ができるだけ低い方法を採用しています。もし合併症が生じた場合でも、できる限り迅速に適切な対応を取ることにより、視力障害が残る可能性を減らすように最善を尽くしています。
手術顕微鏡や白内障手術装置などの手術機器は、どれも高性能なものを採用しています。手術室は最新の空気清浄装置を導入し、徹底的に清浄度を追求して感染予防に努めています。
後嚢破損 | 0.5%未満 |
眼内レンズ偏位 | 0.5%未満 |
術後眼内炎 | 当院で発症したことはありません。 |
駆逐性出血 | 当院で発生したことはありません。 |
手術中に水晶体の袋が破れたり、水晶体の袋の支えが弱い場合は、手術時間が長くかかることがあり、場合によってはそのまま眼内レンズを入れられないこともあります。視力の回復が遅れたり、眼内レンズを縫い付ける手術が必要になったり、手術が2度にわたる場合がありますが、視力予後はおおむね良好です。
白内障手術後に、経年変化やなんらかの原因で眼内レンズの位置が動いてしまう場合があります。
これには再度手術が必要になります。白内障手術後に突然視力が悪化した場合等は、すぐに眼科を受診してください。
創口から細菌感染を起こした場合に発症します。万が一こじらせた場合は、重篤な後遺症を残すことがあり、要注意です。
現在の白内障手術では、眼内炎の発生率は2000例に1例の割合とされており、非常に確率が低いので決して必要以上に怖がる必要はありません。
手術中、突如として目の奥にある動脈から急激な出血が起こるもので、予測不可能で不可抗力に近い合併症です。治療を行っても失明に至ることもあります。
実際に起きる確率は数万人に一人と言われています。
※正確な金額については、お話をお伺いしたうえで専門スタッフがご説明いたします。
1割負担・・・約2万円弱
2割負担・・・約3万円
3割負担・・・約5万円弱
*生命保険等に加入されている患者さまへ
当院では入院設備がないため、日帰り入院扱いにはなりません。日帰り外来手術でも補償が受けられるか、患者様には生命保険会社に契約内容を確認していただきます。
補償が受けられれば手術証明書を記入いたしますので、患者様が各保険会社の指定の用紙を保険会社からお取り寄せください。
*限度額認定証のご案内
手術や治療により医療費の自己負担額が高額になる場合に負担額を軽減する高額療養費制度があります。
限度額は収入によって異なります。保険証の発行元にご確認ください。