よくあるご質問 FAQ

糖尿病網膜症外来

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糖尿病黄斑浮腫で気をつけることは?

糖尿病黄斑浮腫の初期は視力の変動があり、日によって見えたり見えにくかったりします。

 

これが原因で、レーザー光凝固のタイミングを逃し、浮腫が悪化してしまうことがあります。視力が低下してから治療を受けるのでなく、視力が低下する前から定期的に検査を受け、必要な時期に適切な治療を受けられるようにしておくことが重要です。

網膜症や黄斑症が進行しやすい人は?

糖尿病になってからの年数が長く、血糖コントロールがきちんとできていないと進行しやすいです。

 

治療開始前の血糖が高い、治療開始時に網膜症が中期以上、急に厳格な血糖コントロールをした、腎症や高血圧症の合併例、ヘビースモーカー、40~50歳以下の若い糖尿病患者などは進行が早いので注意が必要です。

網膜症の進行の仕方は?

糖尿病網膜症は、単純網膜症→増殖前網膜症→増殖網膜症と進行します。

 

黄斑浮腫はいずれの病期においても合併することがあります。

 

単純網膜症は、毛細血管がやぶれ始め、血管にコブができたり(毛細血管瘤)、出血したりします(点状出血)。また、やぶれた血管から、血液や血液中の成分がもれだします。

 

増殖前網膜症は、血管の障害が繰り返されることで血管壁が厚くなり、血管が狭くなったり、つまったりして(血管閉塞)、血液が網膜に十分に流れなくなる(虚血)状態です。

 

増殖網膜症は、虚血になると、網膜では、新しい血管が作られます(新生血管)。新生血管はもろく、壊れやすいので、出血を起こすことがあります。また、硝子体に膜ができ、その膜が収縮して硝子体と網膜を癒着させ、網膜を引っ張り、網膜剝離を引き起こすこともあります。

網膜症の自覚症状は?

かなり悪くなるまで自覚症状はほとんどありません。

 

初期は、血管がもろくなって多数の出血が起こりますが、網膜中心部が侵されない限り視力は低下しないのでなかなか気づきません。瞳を大きく広げる目薬をさし、眼底を詳しく調べる「精密眼底検査」をすれば、ごく初期の異常でもわかります。この段階なら、血糖をきちんとコントロールすれば改善も期待できます。糖尿病と診断されれば、内科医の指示に従い、眼科医にもすぐにかかって定期検査を習慣づけてください。

 

中期は、血流が途絶える血管閉塞などの障害が起きます。自覚症状はほとんどありませんが、ここまでくると元の健康な網膜には戻りません。レーザーによる網膜光凝固という治療をします。これは網膜症の悪化を防ぐためで、元通りに戻して完治させる治療ではありません。

 

末期は、視力低下や視界に黒い糸くずのようなものが見える飛蚊症が起こり、失明することもあります。新生血管が破れて硝子体出血を起こし、突然見えなくなったり、網膜剥離を起こしたりします。こうなると手術です。眼球に三つの穴を開け、細い器具を挿入し、目の中の出血を吸引して取り除いたり、網膜剥離を元に戻したりします。顕微鏡下で細かい操作を要する高いレベルの手術で、1~2週間程度の入院を要します。

網膜症を悪化させないために気を付けることは?

糖尿病と診断されれば、初期段階から定期的な検査を習慣づけてください。

 

見えるから大丈夫という自己判断は危険です。失明してからでは取り返しがつきません。