お子様の年齢を①6才以下(未就学児)、②6才以上(小学生)、③年齢に関わらずに分けてスマートフォン(スマホ)使用の悪影響を整理してみましょう。
① 6才以下(未就学児)の場合
目には単純にものの形を見分けるという機能(視力)だけでなく、両目でものを立体的に見たり距離感を認識したりといった機能があり、これを両眼視機能といいます。
両眼視機能は、普段の生活では意識することはありませんが、とても重要な機能です。
両眼視機能は、生まれつき備わっている機能ではなく、6才までにバランス良く適切にものを見たり、体を動かして遊んだり、距離に応じて目を動かして見ることで発達していきます。
ところが、スマホのように一定の距離で同様の刺激だけを受け取っていると、両眼視機能の発達に悪影響がでる可能性があります。
② 6才以上(小学生)の場合
スマホなどに夢中になって室内にこもりがちになり、日光を浴びる時間が短いと、近視が進行しやすくなります。
近視の予防には、1日2時間以上屋外スポーツや外遊びをして、日光を浴びる時間を増やすようにしましょう。
③ 年齢に関わらず
1日3時間以上スマホを使用すると、目が内側に寄ったままになる急性内斜視を発症することがあります。
多くはスマホの使用時間を制限することで改善しますが、十分に改善せずに斜視手術が必要になることもあります。
スマホは意識的に目から遠ざけて見て、長時間の使用は控えましょう。
人間には体内時計が備わっており、昼間は太陽光などのブルーライトを含む光を浴びることで、体が目覚めて活動的になります。
一方夜間は、ブルーライトを浴びないことで眠気がでるのですが、夜間にスマホを使用して液晶画面から出るブルーライトを浴びると、体内リズムの乱れが生じます。
深夜のスマホの使用は避け、朝は太陽の光を浴びることで、体内リズムを整えましょう。
お子様にスマホを渡す時はルールを決め、使用する時間や使い方について、親が管理するようにしましょう。
いろいろな刺激を取り入れて視覚の発達を促すためにも、また近視の進行を予防するためにも、積極的に外遊びをして体を動かすようにしましょう。