お知らせ & コラム News & Column

2017.04.23

屋外活動と近視の進行について

バージョン 2

 

近年、日光を浴びる時間が長いと、近視が進行しにくくなるという研究データが発表されています。

 

特に都市部における近視の低年齢化が問題になっていますが、その原因の一つに日光浴不足という居住地の環境によることが疑われています。

特に都市部の子供は、学校でも通学時も帰宅後も屋外に出ることが少なく、それが都市部で近視が多い原因と考えられています。

 

屋外活動時間が1日平均3時間のシドニーの子供と、平均30分のシンガポールの子供を、両親の近視率の差をなくして比較したところ、シドニーの子供の近視率は3%に対し、シンガポールの子供の近視率は29%もありました。

一方、屋外活動時間と両親の近視率の差をなくして比較したところ、読書時間と近視発症には関連がありませんでした。

このことから、近視の起こりやすさと進行しやすさには、遺伝や近見作業時間よりも、屋外で過ごす時間が短いことの関与が大きいと考えられるようになりました。

 

最近は、屋外活動時間を増やすことによって、近視の進行が抑えられるかが調査されています。

台湾の学校では、1日80分、1週間で合計6~7時間の休み時間を屋外で過ごすことにより、1年後に近視の進行を抑制することができたことが報告されています。

中国でも、小学校で1日40分の屋外授業を追加することにより、3年後には近視の進行が抑制されたことが報告されています。

このことから、屋外で過ごす時間を長くすると、近視の進行が抑制されることが分かってきました。

 

近視の予防には、1日2時間以上屋外スポーツや外遊びをして日光にさらされる時間を増やすようにしましょう。

勉強の時間と日光の下で過ごす時間をバランスよく取れるよう、子供たちの生活環境を見直す時期にきています。