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2017.05.03

緑内障の進行の仕方について

 

正面を向いてまっすぐ前方を見つめたときに、片方の目で上下左右の見える範囲を視野といいますが、緑内障になると視野が狭くなったり(視野狭窄)、部分的に見えない部分ができたり(視野欠損)する視野障害が起こります。

視野障害は視神経が障害されることにより起こり、一度欠けた視野は治療をしても元に戻りません。

 

一般に、最初は視野の中心より鼻側や、中心やや上の部分から欠けてきます。

見えにくい部分が黒く見えるわけではありません。

何も分からないということは暗くもない状態で、部分的に霧がかかっている感じです。

視野障害の初期段階ではほとんど症状に気づきませんが、ゆっくり進んでいき、末期になって視野の中心部分が欠けてきます。

ここで初めて見にくさを自覚することが多いです。

 

進行スピードは個人差が大きく、眼圧と視神経の強さによって異なります。

多くは数十年かけてゆっくり進行しますので、すぐに失明することはありません。

ただ、若くして緑内障になった場合、余命が長いので、生涯を終える前に失明する可能性が出てきます。

生涯にわたって視機能を守るには、できるだけ早期に発見して、継続的に治療を行い、進行スピードを遅らせるしかありません。

 

 

 

視野の進行の仕方

白色は鮮明に見えている部分、黒色は視野が欠けている部分です。

 

 

 

1.正常
黒い部分はマリオット盲点といって、誰にでもある視神経乳頭部分の盲点です。

2.初期の緑内障
視野中心部より少しはなれた場所に見えない部分ができます。異常に気付くことはまずありません

3.中期の緑内障
視野の上側に大きな視野欠損がみられます。この段階でもよく見える方の目の視野によって補われるため、異常に気付かない場合が多いです。

4.後期の緑内障
視野の上側と下側の両方に視野欠損が見られます。この段階で「最近見えなくなってきた」と眼科を受診することが多いです。

5.末期の緑内障
視野狭窄が高度になります。最終的には中心部も見えなくなって視力が低下します。