お知らせ & コラム News & Column

2019.06.08

角膜内皮細胞とは

 

角膜は黒目の部分で、光が眼球の中に入る際の入り口でレンズの役割を果たしています。

角膜は厚さ0.5mmで透明であり、一番内側は角膜内皮細胞で覆われています。

内皮細胞は、角膜内の水分調節をするポンプの働きがあり、水分量を一定に保つことで、角膜の透明性を維持しています。

 

内皮細胞は一度壊れると再生しません。その細胞数は加齢とともに減っていきます。

加齢以外に、白内障手術などの眼の手術、外傷、角膜内皮変性、コンタクトレンズによる酸素不足などによって内皮細胞が早く減少します。

 

内皮細胞が1つ減ると、その周囲の細胞が大きくなることで隙間を埋めます。

正常角膜では、1平方ミリメートルあたりの内皮細胞数が2500から3000個です。

細胞数が500個を下回ると、角膜のむくみが取れなくなって、角膜が白く濁って視力が低下します。

 

 

正常の角膜内皮。

六角形の内皮細胞が敷石状にきれいに配列しています。

細胞の数が多く、形のばらつきが少ないのが特徴です。

 

 

角膜内皮細胞の数が減少して、1個あたりの細胞の大きさが大きくなっています。

傷害された内皮細胞の部分は周りの内皮細胞が拡大してその部分を補うため、細胞が大きく、形が不揃いになります。

 

 

滴状角膜。

コラーゲン様物質が沈着している部分が、黒く抜けて見えます。

通常の加齢現象よりも早く内皮細胞が減少するため、経過観察が必要です。